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Aさんのこと

☆11月27日(火)

2004年の8月に以下のような文を書いた。

日記のようなものだ。

    *******

○目標
   
先日知人のUさんと電話で話していた。
「・・・そういえばAさんも頑張っているよ」
実は時々気になっていた。
そうか、生きているんだ、よかったと思った。
   
   *
   
Aさんはガンだ。
三年位前に知人の主催したワークショップでご一緒した。
    
ワークショップの中で、インタビューゲームというのをAさんと組んだのだが、
私がインタビューをはじめた早々に、
「私には絶対言えない事があるんです。ある病気なんですがどうしてもいえないんです」
と彼女が涙ぐんだ。
      
それなら、そこを避けて話しを聞こうと思ったのだが、
どうしても彼女がそこにとらわれているように思えたので
途中で、
「ところで、何の病気ですか?」
とあえて聞いてみた。
本当は吐き出してしまいたいというのを感じたからだ。
      
そうしたら彼女は堰を切ったように、
子どもを産んだときに自分がガンであることがわかったこと、
治療で髪が抜け、いまはかつらである事、
人の視線が恐くて幼稚園の父母会などにいけないこと、
同情されたり、好奇の目で見られるのが嫌なのでガンであることを知られるのは絶対に嫌なこと、
などを話してくださった。
       
彼女の一番の問題は
「娘に母親としてなにが残せるか」
と言うことだった。
      
自分はたぶんあと何年かしたら死んでしまう。
そのあと母親のいない娘はどう人生を生きていくのか。
(当時お嬢さんはまだ4歳くらいだった)
彼女は、いろいろ考えた末
娘に残せるのは「教育」だと思ったと言う。
       
    *
       
Uさんによると、Aさんはいま、肋骨までガンが進行しているそう。
抗がん剤の治療も頑張って受けて、
体調が悪くても、週一回の知人の教室にはお嬢さんを連れてやってくるそうだ。
正直、『ものすごいな』と思った。
          
抗がん剤の副作用はひどいものらしい。
「乳がんなんかにまけられない」の著者のジャーナリストの千葉敦子さんなどは大変だったようだ。
私はいろいろな情報から抗がん剤治療は受けないことにした。
進行したガンで、選択肢のないAさんの病気への向き合い方には頭が下がる。
            
Aさんはおととし脊髄にガンが転移したとのことだが
「骨に入るとかえって進行が遅いから・・・」と言っていたそうである。
       
「進行が遅い」と言うのは、言い換えれば、生きる時間を長らえることができる、と言うことだ。
Aさんは「治そう」と思っているのではなく、
死を受け入れて、
娘のために、一分一秒でも長く生きようと思って頑張っている。
その気迫は恐いくらいだ。
          
Aさんは、体力がなければ治療が受けられないと言って、
毎朝5時から一時間のウォーキングを欠かさないそうだ。
Uさんが「山下さんも体力つけなければダメよ」という。
            
ガンはさておき、体力に関しては確かにそのとおり。
このところ体調はかつてないくらいいいのだが、スタミナがない。
スポーツクラブも、ジョキングも、ジャズダンスも三日坊主の私。
運動に関しては、とにかくいつもへっぴり腰だ。
            
それにしてもAさんはなんてすごいんだろう。
「娘のために一分でも一秒でも一緒にいるんだ」
というAさんの目標は、
再発をしながらも、すでに7年、彼女に充実した日々を送らせているんだな、と思った。
      
                           (ぽかぽかコラム11   2004.8.17)
     ******
       
でもって、つい先日。
       
朝日新聞の取材の打ち合わせの電話をしようと思って、数年ぶりにこのAさんの塾の先生だったUさんに間違えて電話をしてしまった。
      
ちょうど、体調で不安のあった時期でAさんのことが気になっていた。
      
間違えちゃったことを謝って、Aさんのことを伺ったら、彼女が今年の初めに亡くなったと聞かされた。
「最後の三ヶ月は痛くて大変だったみたいよ。でもAさんはよく頑張ったョ。小さかったお嬢さんも、もう5年生になったから、いろいろわかっていたし」
   
      -*-
      
彼女とインタビューゲームをしたときは、正直、自分には縁のない病気だと思っていた。
     
でもね、はっきり覚えています。
     
彼女の必死な眼差し。
     
お子さんに母親である自分の生た証、自分の愛を残そうと頑張る姿。
     
今、最後まで頑張った彼女を、なぜかとても愛おしいと感じています。
      
         
    *******
     
今はあえて、いろいろ考えないようにしている。
   
人生に起こることは自分の捉え方の問題だから・・・。
     
何があってもあっけらかんと、のほほんと受け止めていくのが、自分らしく幸せに長く生きるコツ。
     
只今実行中!

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